【絵画から物語を考えるシリーズvol.1】
「次元なんて関係ない、そこに美しいものがあるのなら。」
大きなゴーグルのついた白いレザーヘルメットに髪をしまいながら言う。
いくら危険だと止めに入っても、この瞳になったら彼女は言うことを聞いちゃくれない。彼女は、既にいくつかのインスピレーションを受けたかのような確信めいた顔をして、先に見える闇を真っ直ぐに見ている。これはもう、光を見つけてしまった瞳だ。
「私は目に見えるものを描きたいんじゃないの。美しさと共に内側に湧いてくる快感を描きたいのよ。」
彼女が数年前にかの有名なパイロットから譲り受けたお気に入りのプロペラ機が、音を立てて息をし始める。今まで、何度こうして彼女を見送っただろう。 全くどうかしてるよ、この星だけじゃ物足りないだなんて。
彼女は最後に飛びっきりの笑みを浮かべながら手を振って、操縦席へと乗り込んでいった。
title: 『With a new down』
作品サイズ: 210×297 mm
技法: 雲母光絵
制作年:2018年
**************************
物語の表紙や挿絵は、星合 めぐるちゃんに描いてもらってます。オーダーいただいた物語は印刷会社の都合により、8月末のお届けとなります。
星合めぐるの絵のオンラインストアはこちら!
https://meguruhoshi.base.shop/
物語のオーダーはこちら!
http://kanoromance.hateblo.jp/entry/2018/02/01/185840