Mythology

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あなたが教えてくれた、あなたのもう一つの『ものがたり』

【絵画から物語を考えるシリーズvol.6】

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ザトウクジラだ。
 

荒狂う波を断つかのように、右へ左へ、上昇しては、海面に思い切り全身を叩きつけ、海底へ。
海の中で大きな流れをつくっているのは、彼らだ。彼らが泳げば、魚達の流れは変わる。逃げ逃げられ、喰い喰われ、最後は彼らのほんの一飲みで、生命の連鎖がまた幾つも消えていく。けれど、今日のそれは彼らが魚を喰い散らかすことが目的ではないようだ。風が吹き荒れるように、この海はしばらく荒波が収まらない。
 
 
荒狂う波を断つかのように、右へ左へ、上昇しては、また海底へ。
泳ぎはいつもに増して勇ましく、力強く。そして、意志を持った瞳が黒いボディに刻まれているようだった。
その流れに翻弄される者たちとは違い、波に抗い、旋回してはまた猛威へと向かっていく。
それはまるで、彼らの怒りをぶつけるかのように。

この荒れた海を、鎮めるかのように。
 
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titile:『Light of life 2』

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